おはようございます、こんにちは、こんばんわ☀
映画やマンガなどのエンタメ系大好きとんまるです。
あなたは「このマンガ気になるな~」ってどんな時に思いますか?
書店に行ったとき、友達におすすめされたとき、テレビで特集されたとき、広告で目にしたとき、いろいろあると思います。
その一つのきっかけに、「マンガ賞」というものがあると思います。
でもひとくくりにマンガ賞と言っても、最近いろいろな賞がありすぎて、
「結局どれを読めばいいんだよ!」
と混乱してしまったことはありませんか?
そこで今回は、できるだけ簡単にそれぞれのマンガ賞についてまとめてみました。
一緒に勉強していきましょう。
マンガ賞っていくつあるの?
まず日本におけるマンガ賞は大きく分けて「漫画賞」と「新人賞」の2種類があります。
○漫画賞:プロの漫画家による発表済みの作品を対象にするもの。基本的には年1回開催。
○新人賞:新人から応募された作品を対象とするもの。賞の多くが年に数回行われる。
漫画賞は歴史の古いものは1955年から開催されており、その後次々と各出版社や大手取次などが各賞を立ち上げ運営を行ってきました。
賞のノミネート基準も様々で、過去1年間の間に出版された漫画を対象にする賞や、ジャンルを絞ったユニークな賞などがあります。
また、賞を決定する審査側も様々で、評論家や作家によって選定される賞もあれば、全国の書店員によるアンケートによって決定する賞、読者参加型の賞などもあり、それぞれに特徴があります。
「漫画賞」はプロの作品を評価するため、その評価が名声や売上に直結してきます。
そのため多種多様な基準で賞を決め、珠玉の1冊が世の中に発信されています。
それに対し新人賞の多くは各マンガ雑誌単位で持っており、その雑誌の特色にあった基準によって審査されています。
また新人賞の目的は新人の発掘であり、賞をとっただけでは名声や売上は手に入りません。
新人賞は開催頻度が毎月のものもあるくらい頻度が高く、また多くは単行本化されるわけではないので、一般読者向けの賞ではありません。
そのため今回は「漫画賞」を解説していきます。
主催者、対象作品、審査員などが多様になったことで賞の数が増えたみたい!
漫画賞まとめ表
各賞の特徴をまとめてみました。
| 賞 | 創立年 | 主催者 | 時期 | 対象基準 | 審査員 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文藝春秋漫画賞 | 1955-2002 | 文藝春秋 | 5月下旬頃 | 一年間に発表された漫画作品 | 選考委員(漫画家など) |
| 小学館漫画賞 | 1955 | 小学館 | 1月中旬頃 | 一年間に発表された漫画作品 | 選考委員(漫画家など) |
| 日本漫画家協会賞 | 1975 | 日本漫画家協会 | 4月中旬頃 | ジャンルや手法に絞らず創作され発表された漫画作品 | 選考委員(漫画家など) |
| 講談社漫画賞 | 1977 | 講談社 | 5月中旬頃 | 一年間に発表された漫画作品 | 選考委員(漫画家など) |
| 星雲賞コミック部門 | 1978 | 日本SF大会 | 7月下旬頃 | 一年間に発表された【SF】漫画作品 | 日本SF大会に参加するファン |
| 文化庁メディア芸術祭マンガ部門 | 1997-2022 | 文化庁 | 終了 | 不明 | 選考委員(漫画家など) |
| 手塚治虫文化賞 | 1997 | 朝日新聞社 | 4月下旬 | 一年間に発表された漫画作品(単行本が出た作品のみ) | 選考委員(現在の漫画をよく読む人物) |
| 全国書店員が選んだおすすめコミック | 2006 | 日本出版販売 | 2月初旬 | 刊行5巻以下の漫画作品 | 全国の書店員 |
| このマンガがすごい | 2006 | 宝島社 | 12月頃 | 一年間に発表された漫画作品 | 様々な人へのアンケート |
| 日本国際漫画賞 | 2007 | 外務省 | 1月頃 | 制作から3年以内の16ページ以上の漫画作品 | 選考委員 |
| マンガ大賞 | 2008 | マンガ大賞実行委員会 | 3月末頃 | 一年間で単行本が発売された作品のうち、最大巻数が8巻までのマンガ作品 | 選考委員(様々な層) |
| 次にくるマンガ大賞 | 2014 | niconico、ダ・ヴィンチ | 9月頃 | 既刊が5巻以内の作品 | 選考委員+一般読者の投票 |
| みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 | 2017-2023 | TSUTAYA | 9月頃 | ネクストブレイクは既刊5巻以内・未完作品 | 読者投票のみ |
| 電子コミック大賞 | 2018 | コミックシーモア | 1月頃 | 出版社が推薦する電子コミック | 読者投票 |
マンガ賞は、時代の変化と共に対象とする作品や投票方法も多用になり、それによって数多くの賞が生まれてきたことが分かります。
ただ正直これだけあったら何に注目してマンガを選んだら良いか分からないですよね。
そこで個人的に注目すべき賞をピックアップしましたのでご紹介します!
これだけは押さえて!おすすめマンガ賞
マンガ大賞

マンガ賞の中で、「これだけは押さえて!」と言えるのはやはりマンガ大賞です。
マンガ大賞は2008年に、マンガ大賞実行委員会によって創設されました。
賞の始まりは「面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい!」という思いからだそうです。
対象となる作品は、前年の1月1日~12月31日に出版された単行本のうち、最大巻数が8巻までのもの。(電子書籍も含む)
これは、一番発売周期が短い週刊連載マンガの単行本が、だいたい3ヶ月に1回新刊が発売されるため、年4回×2年で8巻という考えからきています。
また、これだけの期間があればその作品の面白さは発揮されているだろう、そして逆にこれ以上の長さのものは世に面白さは知れ渡っているだろうとの考えも含まれています。
加えてこれ以上長い巻数のマンガは気軽に手に取りにくいかもしれないとの考えもあったようです。
まずこの基準が、おすすめできる1つ目のポイントです。
人は天邪鬼な生き物です。
売れているものを薦められても「今さら」と思って手を出さないし、まだ出始めすぎるものを薦められても「まだ分からないでしょ」と敬遠します。
そんな天邪鬼な心の隙間に入れる”ちょうどいい“マンガを対象にしているので、マンガ通にも、あまりマンガを読まない層にも手に取ってもらいやすい作品が多く選ばれます。
そして2つ目にしてこの賞で一番注目すべきポイントは、この賞がとても【公正】という点です。
マンガ大賞の企画意図自体が、面白いマンガを薦めることにあるので、営利を追求するものではありません。
そのため運営をしている実行委員会のメンバーは、普段からマンガの現場でマンガに接しており、かつマンガ大賞の趣旨に賛同したボランティア有志で構成されています。
サイトのデザイン、運営、ロゴ制作などのほとんども、趣旨に賛同した人がボランティアやノーギャラで参加しています。
また選考員に関しても、「この人はマンガに対して熱を持っている!」と実行委員会が判断した人に声をかけており、マンガが売れることに直接の利害関係があるマンガ家本人や、編集者、ブックデザイナーなどの関係者は選考員に選ばないようにされています。
このように実行委員も選考員も純粋な気持ちで集まり運営しており、それによってとても公正な賞が完成しています。
つまりマンガ大賞は、変に誰かの意図や営利目的が介入していない、純粋に面白いマンガを薦めてくれる賞ということです。
書店員としてもマンガ賞の一大イベントなので毎年どの作品が選ばれるのかワクワクする一方で、在庫の確保に奔走する大変な時期でもあります。
それだけ気合い入れてフェア展開したくなる賞ですね。
知らないとマンガ通とは言えません!それくらい絶対面白い作品ばかりです。
次にくるマンガ大賞

次に来るマンガ大賞は出版社のKADOKAWAが2014年に創設したユーザー参加型のマンガ賞です。
この賞は、ユーザーから「次にくる」と思うマンガのエントリーを受け付け、エントリーした作品の中から、特に人気の高かった作品をノミネート作品として選定。
そして、ノミネート作品を対象に、ユーザーの投票を行い、大賞を決定しています。
賞は2部門に分かれており、主に紙雑誌をメイン媒体にして連載している作品を対象にした「コミックス部門」と、主にWebをメイン媒体として連載している作品を対象にした「Webマンガ部門」があります。
シリーズ既刊が5巻以内の作品が対象で、ジャンルは不問ですがR-18作品や2次創作は対象外です。
また各部門3位までの歴代受賞作である殿堂入り作品も対象外です。
また、2019年から協賛しているU-NEXTが選定している「U-NEXT賞」や、2024年から冠スポンサーとなたニチレイフーズが選定している「冷凍食品はニチレイ賞」、すでに終了していますが海外からの投票が特に多かった作品に贈る賞「Global特別賞」などがあるのもこの賞の特徴です。
マンガ大賞の基準は既刊8巻までの作品であり、これは「8巻まで出ていればそのマンガの面白さは発揮されているだろう」という基準からでしたが、次に来るマンガ大賞は既刊5巻までの作品が対象であり、マンガ大賞の基準からすると少々面白さを判断するには早いように思えます。
しかし受賞作が本当に「くる」のかは調査されており、各賞の1位~3位に入った作品の多くが受賞後に多く売れている実績があり、また半数近くがアニメ化に繋がっているため、実際にヒットに繋がっていると言えます。
そのため、現時点ではその作品の面白さは発揮されているかは分からないけど、今後だんだんと面白くなっていくこと間違いなし、という作品を見つけることができるのがこの賞の特徴です。
またこの賞の特徴は、エントリー作品自体をユーザーから集め、その後ノミネート作品は実行委員会が決めますが、大賞は再度ユーザーの投票により決まるというところです。
最終的に一般人の投票で大賞が決まるため、マンガ大賞とは異なる意味で公正な審査がされると言えます。
最大で既刊5巻までしか出ていない作品が選ばれているので手軽に読めるのもこの賞の特徴です。
この賞をチェックしておけば古参アピールできますね!
その他おすすめマンガ賞
このマンガがすごい

宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞、日本ラブストーリー大賞、「このライトノベルがすごい!」大賞と並ぶ4大大賞のひとつ。
毎年12月に発売されるムック本でランキングが発表されます。
書店員や編集者などから、スポーツ選手や小中学生など様々な層の70~200人前後にアンケートをとりランキングを決定しています。
このランキングでのおすすめポイントは、「オトコ編」と「オンナ編」に分かれてランキングが発表される点です。
どんなマンガも内容や面白さは読んでみないと分からないですが、最近は表紙の絵柄やタイトルだけでは男性向けなのか女性向けなのかすら分からない作品が多くなっています。
そこを線引きする必要があるのかどうかはさておき、手に取る際の一つの基準にはなると思います。
男女で分けてランキングしているのはこの賞だけなので、どの作品を選んで良いか分からない時の一番わかりやすい基準だけはクリアしてくれていると言えます。
書店員としては、1つの賞で「オトコ編」と「オンナ編」の2種類のフェアを並べることになるので、場所も使うし目立つので必然的に目が引くことができる便利な?賞です。
あえて普段手に取らない異性側の作品を手に取る良いチャンスかも!
全国書店員が選んだおすすめコミック

この賞は、全国の書店員から「たくさんの人にすすめたい漫画」「皆に読んでほしい漫画」をアンケートで募集し、ランキング形式で発表しているアワードです。
日々多くの作品に触れ、お客様の反応を一番身近で感じている書店員がおすすめしてくれるこの賞は、ある意味一番の目利きたちによる最新のおすすめ作品と言っても過言ではありません。
書店員から寄せられたコメントも一緒に発表されているため、おすすめポイントが分かるのも良いですね。
また、出版社のコミック編集・販売担当者にも「悔しいけどおもしろい他社作品」と題してアンケートで募集し、「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック」も同時に決定しランキング形式で発表しているのもこの賞の特徴です。

こちらは出版社コミック担当から寄せられたコメントとともに紹介されており、書店員とはまた違った目線のコメントは読み応えありです。
またこの二つの賞で面白いのは、年度にもよりますが、多くの作品が被っていないということです。
つまり、書店員と出版社コミック担当者は違った目線で作品を見ているということがわかります。
そんな多様なプロの目線で決められたランキングは注目する価値ありですね。
実はまだあまり世に知られていないプロしか知らない作品が見つかるかも?
対比表
【おすすめ度】どれが良いか迷ったときに参考にしてもらいたい評価
【信頼度】ランキングを決める公平さやその作品の面白さに対する評価
【独自性】その賞にしかない特徴があるか
【手軽さ】巻数や信頼度などからどこまで手軽に手を出せるかどうか
| 賞タイトル | おすすめ度 | 信頼度 | 独自性 | 手軽さ |
|---|---|---|---|---|
| マンガ大賞 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
| 次に来るマンガ大賞 | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| このマンガがすごい | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| 全国の書店員が選んだおすすめコミック | ○ | ○ | ◎ | ○ |
まとめ
ここまで個人的な意見を加えつつマンガ賞をまとめてみました。
やはり一番おすすめできるのは「マンガ大賞」、その次に「次に来るマンガ大賞」ですね。
選考基準や審査員のなどへの信頼感もそうですが、なにより歴代の受賞作品が軒並み売れていますからね。
正直二つの賞はおすすめ度合いは僅差ではありますが、マンガ大賞は選考員によって「おすすめしたい作品」が決められているのに対し、次に来るマンガ大賞はユーザー投票により「次にくる」と思う作品が選ばれているため、その点では大きく性質が異なります。
どちらをとるかは人それぞれかとは思いますが、普段あまりマンガを読まない人にはマンガ大賞、よくマンガを読む人には次に来るマンガ大賞がおすすめできると思います。
あとなにより賞の名前がわかりやすくて良いですね(笑)
こうやって各賞をまとめてみると、マンガ賞にはたくさんの歴史があったことがわかります。
また時代の流れや変化で、生まれた賞、無くなった賞、変化していった賞など様々あることも興味深いです。
今は紙のマンガよりWEBマンガの方が手軽で種類も豊富になり人気が出ています。
その流れを汲み「次に来るマンガ大賞」にはWEBマンガ部門が、2018年には電子コミック大賞が生まれたりしています。
個人的には紙のコミックのページをめくるワクワク感や、本棚にずらーっと並んでいるコレクション感が好きなのでこれから先も紙のコミックをおすすめしたいところではあります。
そして手軽にスマホで漫画が読める時代だからこそ、せっかくお金と時間を費やして読む漫画は面白い方が良いですよね。
まあ買って読んでみたけど自分には合わなかった、っていう出会いも漫画の醍醐味ではありますが。
これからも各賞がもっと盛り上がって今後もたくさんの面白い作品を届けてくれることを期待しましょう。
以上!最後まで読んでいただきありがとうございました。
Have a nice day!

自分が最初から目をつけていたマンガが入賞したときはちょっとどや顔しちゃいますよね。

